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2006年09月26日
「坪効率×リスト数」というのは、通信販売の収益構造の基本的な骨格だ。媒体が紙であろうとTVであろうと、WEBであろうとモバイルであろうと変わらない。その内容について、質問が多い箇所なので文字だけでは難しいかもしれないが説明を試みてみようと思う。
「坪効率」とはそもそも、紙通販やお店での販売における、ある一定の売り場面積あたりの効率(売上・利益)のことを指す。紙通販であれば、例えば1ページあたりの売上であり、お店なら1坪あたりの売上、という具合に考える。その坪当たりにかかった経費を算出し、その経費を補うだけの売上(利益)があがっているのかを見るのだ。単位化してあげることで、よりわかりやすい指標として使われているわけだ。
これがEコマースになると、そもそもスクロールによっていくらでも売り場面積を使うことが出来る為、元来こうした「坪効率」のような指標を取り入れる企業はないに等しかったと思う。
もちろん、厳密には10cm四方の売上は?などとWEBの世界で考えてもあまり意味はない。正確に単位あたりの経費と売上を比較するのはナンセンスに思えるだろう。
しかし、僕が言いたいのはそういうことではなく、その考え方なり、組織の文化なり、マーチャンダイジングの抽象的な行動指標にせよ、ということだ。
ひとつの商品を仕入れたり、開発して、売り場を考える。コピーを考案し、商品キャッチを考え、撮影をする。こうした、ひとつひとつの工程の成果がいかほどか?単純に言えば、1単位あたりの売上はどうか?ということとパラレルだ。
PLを考えた場合、その1単位あたりの売上が損益分岐点を越えるものでなければ結局、全体でも損益分岐点を越えてこない。坪効率×リスト数のリスト数がいくらあっても採算には乗ってこないのだ。
そういうことである。
とかくバイヤーは売上のことしか頭にない。収益性がどうだとか、会社全体で利益がどうだとか、は考えない人種だ。売ることに快感を覚えてしまう為、どんなに利益が低かろうとも、どんなに経費をかけようとも売上が上がればそれでよし、としてしまいがちだ。そんな思考パターンを打破する為にも、坪効率という考え方は有効なのである。
通販は紙もECも一箇所にいながら全国の消費者を対象にビジネスが展開できる為、この坪効率の最大化のノウハウを持つことは、大変な武器になる。10億円の企業が一気に1000億円の企業に化ける潜在的な力を得るに等しくなる。
言い方を変えれば、10億円の企業も1000億円の企業も構造的には一緒だということだ。
紙通販の場合、媒体費がかかる為、坪効率は死活問題である。それこそ必死になって効率を追求する。しかし、裏返せばそれが逆に強みになっているのだ。ECの場合はそれと全く逆で、効率を追求する必要がない為(そう思い込んでいるだけだが)それが弱みとなって跳ね返るという構図だ。
今後、益々競争が激しくなるとEC全体の坪効率は確実に落ちる。いま、採算に乗っている企業もすぐに採算割れに追い込まれるだろう。それを防ぐ唯一の方法はこの、坪効率の概念を取り入れ、マーチャンダイジングの思想にまで高めることなのだ。