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2006年12月31日

根っこと、柱

12月31日、2006年最後である。今年1年もいろいろなことがあった。来年はどんな年になるのだろう。そんなことを考えながら書いてみたい。

自戒を込めて、という側面が大きいのだが、最近、周囲の経営者を観察していて感じることがる。それは「根っ子と、柱」という言葉で表現されるようなものだ。会社を経営していくのはとても難しい。大変な責任と重圧が日々襲ってくるし、毎日いつも何らかの判断を迫られる。常に考えをめぐらせ、整理しておかなければ間違いを犯してしまうだろう。そんな状況に放り投げられている経営者は、実はいつも不安である。右に行くべきか、左に行くべきか、いつも迷っている。下した決断にも100%の自信を持つことはあまりなく、誰かに頼りたい衝動に駆られることもしばしばだ。そんな状況下の経営者だからこそ、その人の本質的な部分が垣間見えることも多い。人間、必死になると本性が出るわけだ。揺れる気持ちを落ち着かせるため、そのとき何を頼りにするのか?


ベンチャー経営者を取り巻く環境は、ちょっと普通の労働者のそれとは違う。毎日のように新しい出会いがあり、さまざまな情報が自然と集まってくる。今まで経験したことのない新しい経営手法に触れることも多いし、金融機関などの資金提供者の立場の方々と話す機会も多い。新聞紙面で見かける出来事にまさに日々触れているのだ。


そんな中、自身がどう振舞うかは大きな問題だ。角度の違う立場の人が発する、角度の違う意見を聞きながら、傲慢にならずに謙虚なままに、意見を吸収しながら、一つ一つの判断を正確にしていかなければならない。立ち位置を見失わず、独善に陥らず、目標に向かってひたむきに努力していかなければならない。何かにすがりたくもなる。


そんなとき、世間で言われていることを深く考えずに受け入れてしまいたい衝動は、誰しも起こりうる。だが、それが非常に危険なのではないか、と考えるのだ。理由と鼻くそはどこにでもつく、と言うが、すべての決断に理由を探せば正当化できる。一般的な論調から、何かをひっぱってくれば、人を納得させるだけの理由は見つかってしまう。それが危険なのだ。


事業がうまく行っているならば、それはどうしてなのか?逆にうまく行かないならば、それはなぜなのか?自分の言葉で説明するときにのみ自身が理解し、次の一手を打つことが出来る。「柱にすがる」ように正当化して前進する様は率直にかっこよくない。そんな人に会うことがある。

必要なのは経験であり、それを補うだけの思考であろう。自分自身の脳みそで考えたこと、また、感情を揺さぶられる経験のみが、「根っ子」のつながった確かなものといえる。地に足の着いた落ち着きをかもし出してくれる。そんな人と会ったときは、とても気持ちがいい。こちらも感化され、感情を揺さぶられ、刺激を受ける。エンジンに火がつくような感覚だ。

人間の実存に触れるような、確かな感覚は、経営者にとってもっとも大切な感覚なのではないか、そんなことを考えた。

最近、事業提携のお話をいただくことが大変多い。是非、根っ子のある経営者の方々と、ともに高めあっていきたい。自分自身の言葉で話の出来る、そんな経営者の方々とこれからも多く接していたいと思う。

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