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2007年01月09日

事業計画

年明け、社員4名が事業計画書を作ってきてくれた。初めての試みだったが予想以上の出来に僕はなんだか機嫌がよくなってしまった。昨年まで、いろいろな場面で言っていたことを良く聞いていてくれたな、となんだか頼もしく感じたからだ。

とまぁ、褒めるのはこれくらいにして(このブログは社員も当然見ている)ひとつ大事なことに気がついたのでそれを書きたいと思う。


僕は今まで、自分の会社の事業計画を何百回と書いてきた。書いては修正し、修正しては破り捨て、また一から書き直す、といった作業をそれこそ何度も繰り返している。今でもその癖は抜けないが、人の書いた事業計画をじっくりと眺める機会はそれに比べて少なかったように思う。それだからかもしれないが、今回の社員の書いた事業計画を読んで、気付くところが多かった。


その一番は、誰がいつ手をつけ、いつまでにやろうとしているのか?という点があいまいだ、ということだった。僕のこれまでの経験では、一番時間が掛かるのは人の部分で、どんなに優れたビジネスモデルを構想したとしてもそれを実行する人がそのことに熟知していないと実際はうまくまわらない。計画には数字がつき物だが、数字を達成する時間軸での計画がずれてくるのだ。当然資金的な計画がずれ、苦しむことになる。苦しまないまでもあせることになる。


一人で出来る事業には自ずと限界がある。だから、ある程度の事業は当然チームでやることになる。しかし、とかくそのチームのスタッフの経験や能力を過剰に評価しがちだ。そして、不満が出る。出来て当たり前、と考えてしまうため、また、自分に出来ることは皆が出来て当然、と傲慢に考えがちなためイメージと大幅にずれて後で計画を修正する羽目になる。

誰がいつやるのか、という問いかけは、外部の方からすればあまり関心がないことかもしれないが、実際は大きな、そしてもっとも重要な問題なのではないか、と最近は思うようになった。

京セラの稲盛名誉会長もある本の中でふれていた記憶があるが、いつも事業を構想するときは、具体的なスタッフの顔を思い浮かべながら考えるのだそうだ。そして、どんなにいいアイデアも、ふさわしいスタッフがいないと判断できるときは、決して実行に移すことはないらしい。とても意味深い文章だった。

事業の計画や戦略立案はすべて具体的なものだ。同じものはひとつとしてない。そういう意味からすれば至極当然のことではあるが、とかく忘れがちな事でもあるのだろう。十分注意していきたい。


最近、MBAや資格が流行っている風潮にあるように思う。こうした時代の雰囲気も、観念論重視の思考パターンを肯定しているのかもしれない。抽象的な思考をかっこよい、と感じてしまう、変な雰囲気があるのかも知れない。本人も周囲の人間も、‘勘違い’野郎を助長しないように気をつけなければならない。本当に優れた人間は、そんな資格なんかに頼らなくても、現実の世界から教訓を学び取る能力はあるのだろうから。これもまた、当然といえば当然である。

そういえば、観念論を振りかざして失敗していった経営者を思い出した。結構、多くの人を巻き込んでいたように思うが、その人は今どうしているのだろう。僕もそうならないように気をつけなければ。

今回の社員の事業計画は僕にとってとってもいい勉強になった。そのいくつかは是非、実際の事業にも生かしたいと思う。しかし、おそらく一番勉強になったのは書いた本人であろうことは論を待たない。自分の頭で考えたことを紙に落とす作業は、とてつもなく勉強になることを僕は知っている。頭で考えるだけよりもはるかに生産的な作業が出来る。作業が苦しい分、あとに残る果実も大きい。

事業計画のいいところは、紙に落として、他人の批判にさらされること。そして、より具体的なものへと昇華していくこと。それでも実際の事業よりは抽象的な域を出るはことはない。それでも、書く意味は十分にある。


書く、という作業は自分を成長させる魔法のような近道でもある。


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